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エストニアにおける日本語教育の概要と日本語弁論大会

2015年05月08日

エストニアにおける日本語教育の概要

エストニアでは、ソ連時代からアジアの言語が学ばれていますが、日本語は一番人気があります。正式な日本語教育が始まったのは、 エストニア共和国が独立を回復する直前の1990年からです。

当時、エストニア人文大学(現在、タリン大学の1部)で12人の学生が集まって日本語・日本文化を専攻することになりました。それ以来25年間日本語教育の歴史があるタリン大学のアジア文化学科では、毎年約20~30人の学生が日本語の勉強を始めます。学士レベルの講義は3年間で修了しますが、修士レベルまで勉強を続ける学生もいます。その間、日本に留学する学生もいます。

1632年に設立され、エストニアで最も歴史のあるタルトゥ大学では、1997年から選択科目として日本語教育コースが開講し、50~80人の様々な学部の学生・大学院生が日本語の勉強を楽しんでいます。 それに加えて、2013年からはタリン工科大学でも日本語コースが始まり、約25人の大学生が選択科目として勉強を始めました。今年からは、日本語講座とは別に、日本に関する講義が開催されています。

大学以外には、1993年からタリン市にあるヤルヴェオッツァ高校で日本語クラスが開かれており、第3外国語として3年間日本語を学ぶことができます。高校のレベルでは50~60人の生徒が日本語を勉強しています。 現在は、ラスナマエ高校でも日本語の勉強が可能になってきました。

これまでに、高校生、大学生、大学院生合わせて170人のエストニア人 が日本に留学したことがあります。

第9回 エストニア日本語弁論大会

今年の春、エストニアの首都タリン市にあるタリン大学で第9回エストニア弁論大会が行われました。弁論大会は、1999年初めて開かれ、2年に1度開催されるイベントです。
大会は、初級、中級、上級の順に行われ、それぞれ上位3位までが入賞です。 動画で各クラス1位の発表をご覧下さい。

初級1位:Loviisa Lindpere(ロヴィーサ・リンドペレ)さんのスピーチ
中級1位:Viktoria Maiorova(ヴィクトリア・マイオロヴァ)さんのスピーチ
上級1位:Mihkel Joasoo (ミフケル・ヨアソー)さんのスピーチ
惜しくも上級優勝を逃しましたが、まだ高校1年生にもかかわらず上級2位と健闘し、将来が楽しみなHenri Kopra(ヘンリ・コプラ)さんのスピーチ





エストニア弁論大会について、主催者であるエストニア日本語教師会会長の園部先生に日本語弁論大会についてお話を伺いました。

園部先生によると、「最近の傾向としては、日本に留学した経験のある人の増加による参加者のレベルアップに加え、エストニア人以外の参加者の増加によって大会が国際化してきている」とのことでした。
また、「会を重ねる度に日本に興味を持つ人が増えてきています。この大会やその他のイベントを通じて、日本とエストニアがますます近くなるようになれば」と抱負を述べられました。

★各クラスの優勝者へのインタビューを含む全ての動画はこちら

今後、ESTLANDINGのメンバーも日本とエストニアがますます近くなるよう頑張っていきたいと思います。エストニアに関するご質問があれば、お気軽にESTLANDINGまでお問い合わせください。

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