2015年5月8日から15日まで、タリンでICT Weekが開催されました。ESTLANDINGが取材した幾つかのイベントのひとつ、“Norway Estonia Green IT Cooperation Seminer” で、EUが推進するイノベーションプロジェクト“Horizon 2020”について紹介されていましたので、それをご紹介します。
“Norway Estonia Green IT Cooperation Seminer”で使用されたマテリアルのダウンロードはこちら。
Horizon 2020は、EU史上最大のイノベーション研究プロジェクトで、2014年から2020年までの間、総額800億ユーロ(およそ10兆円6千億円)の予算をかけた巨大プロジェクトです。
Horizon 2020は、これまでのプロジェクトと大きく異なり、プロジェクトのテーマとなる範囲がかなり広く、マーケットとのつながりが強いです。これまでのように、興味深かい研究というだけでなく、どのようにマーケットで使われるかが重要視されています。
Horizon 2020のチャレンジ目標は以下の7つの分野です。
欧州の99%程度の会社はSMEで、3分の2の人が勤めています。だからSMEはとても重要です。
EUのHrizon 2020のホームページによると、プロジェクトに申請できる中小企業の定義、各フェーズの事業目的、助成金やコーチングといったサポート内容などについて説明されています。
フェーズ1:コンセプトと実現可能性の評価。例えば、これは、新製品、サービス、または既存技術の新しいアプリケーションのリスク評価、市場調査や知的財産管理など
フェーズ2:戦略的な事業計画と実現可能性の評価に基づくイノベーション·プロジェクト
フェーズ3:投資準備のサポート、リスクファイナンスと顧客へのアクセスを支援し、フェーズ2から生じるイノベーションの商品化を支援
コーチング:課題解決のためのコーチングが受けられる
サポート対象:250人未満の従業員、年間売上高5000万ユーロ未満の中小企業
日本企業も参加できます。経済産業省は、JEUPISTE プロジェクトというHorizon 2020 と日欧の戦略的パートナーシップ構築のための組織があります。JEUPISTEプロジェクトのホームページによると、以下のような日欧連携事例があります。
日本からの参加方法と日欧連携事例 Horizon 2020 は全世界に参加の門戸を開いており、公募毎に決まっている参加条件が充たされていれば、ヨーロッパ域外の機関や個人も参加をする事ができます。但し、これは日本からの参加案件が採択された場合に自動的にECからの助成がされる事は意味しません。自動的な助成の可能性も含め、下記にまとめます。
機関(法人)対象のプログラム 原則として、日本の法人は自動的助成の対象外ですが、それを除けばヨーロッパ他のパートナーと同等の立場での参加が可能であり、知的財産権その他に関してもコンソーシアムアグリーメントに沿って公平に権利が主張できます。 以下の場合には、例外的に日本の法人にも助成措置が取られる可能性があります。
公募に日本からの参加機関への助成が明記されている場合 EUと日本の合意により、相互の助成措置が取られる場合(例えば、EUと米国 (NIH) は医療分野でそのような取り決めを結んでいます。現在の所、日本との間にはそのような取り決めはありません。) 日本からの参加がプロジェクトの成立に必要不可欠(もしくは非常に重要)であり、それが欧州にとってもメリットになると欧州委員会の担当総局が判断した場合。日本機関に直接助成がされる場合、一番多いのはこのパターンだと思われます。
日本企業が欧州法人を通じてご参加をされる場合、欧州企業として参加し、助成措置も受けられます。
上記によれば、日本企業の欧州法人を通じて参加すれば助成措置の対象となることから、イノベーションを目指す日本企業がエストニアに法人を設立してHorizon 2020を活用して欧州からビジネス展開を目指す方法も「あり」かと思います。
ESTLANDINGでは、エストニア経由で海外展開にチャンレンジする日本企業からのご相談を受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。