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エストニアで電子署名は基本中の基本

2015年02月27日

ビジネスだけでなく、日常生活のシーンでも便利な電子署名

皆さんは電子署名の経験はありますか?
会社のグループウェアで稟議書に電子署名でサインしている方も結構いらっしゃると思います。使い始めるとかなり便利なので、手放せなくなっているのではないでしょうか。

エストニアの電子署名は2002年に電子署名法の施行によってスタートし、自筆のサインとIDカードによる電子署名が法的に同等の効力を持つことになりました。

ここで動画を見てみましょう。

いかがでしたか? かなり便利そうですよね。
動画にもありましたが、エストニアの電子署名システムは、エストニア以外の国からも使えます。もちろん日本からも。  

非居住者にも門を開き始めたエストニアの電子政府システム

2007年のサイバーテロ事件から8年目の今年、エストニアの電子社会は新たな段階に入りました。これまで磨いてきたセキュリティ技術を武器に自国のシステムをエストニア居住者以外にも提供することに決めたのです。

前回のブログ2015年のe-ESTONIAでIDカードの種類について紹介した中に、電子居住者(e-Resident)カードという項目があります。
e-Resident制度は、エストニアに居住していない外国人に対してインターネット上での使用に限定されたIDカードを発行し、エストニアの電子政府サービスや民間企業のサービスが受けられるようにするものです。

現在のところ使用可能なサービスは電子署名、電子納税、電子処方箋、DigiDocなどの電子政府サービスに限られていますが、今後オンラインバンキングなど民間サービスも含め、徐々に拡大されていく見通しです。

電子署名の認証システム
図1:ESTLANDING作成

エストニアの電子政府サービスや民間サービスは、IDカードやモバイルIDを鍵とし、データー連携をX-Roadと呼ばれる共通基盤を使って行うことで、使いやすさと信頼性・安全性を両立させています。
X-Roadとは、公的機関および民間サービスのデータ連携を行う独立したサービスで、エストニア電子社会の共通基盤です。

日本人が電子署名を利用するメリット

エストニアでビジネス展開する際には、会社設立後にも様々な契約や申請の手続きを行うことになるでしょう。

  • オフィス賃貸契約
  • 雇用契約
  • リース契約
  • 売買契約
  • 様々な申請手続き
  • 社内決済文書
  • etc…

これらの書類に担当者がその都度サインするのは大変です。ビジネスで世界中飛び回ることの多い人はなおさらです。 そんな時e-Residentカードがあれば、サインするのにエストニアにいる必要はありません。お好きな国でビジネスを継続できます。 また、相手を待たせることもないので取引先にも喜ばれます。

e-Residentカードの入手方法

最後に、e-Residentカードの申請と受け取りの方法について説明します。 2015年2月現在、申請と受け取りまでの流れは以下の通りです。

  1. 申請者本人がエストニアにある警察及び国境警備隊のサービスオフィスに行き、申請書を提出する。
  2. 申請書提出の際、生体データ(顔画像と指紋)を提供する
  3. 審査(通常10営業日以内)
  4. 審査に問題なければe-Residentカードが発行される
  5. カードは本人が直接サービスオフィスへ行き受け取る

備考

  • 現在はエストニアでのみ受付と受け取りができるが、2015年末までに各国大使館で受け付けと受け取りができるように準備中
  • 申請料は1回につき50ユーロ。事前にエストニアの銀行で支払い、領収書を申請書と一緒に提出する
  • 有効期間は3年間で、3年毎に更新が必要
  • 申請書に関する詳細はこちら(英語)
  • クレジットカードタイプのみ

マイナンバーの導入に伴い、将来的には日本でも電子署名は普及すると思いますが、一足先にエストニアでその利便性を体験してみてはいかがでしょうか。

ページ下部に過去記事のリストがあります。